Q

PCRフリーでライブラリー調製を行った場合、インサートの両側にアダプターが正しくライゲーションされなかったものも残存します。 この場合、ライブラリー濃度をqPCRで定量すれば、シーケンスに影響しないでしょうか。

ライブラリー増幅(PCR)の有無にかかわらず、インサートの両側にアダプターが正しくライゲーションされなかったものは残存いたします。 確かにPCR増幅した場合、両側にアダプターが付いたライブラリーのみ増幅しますので、サイクルごとに全体に対する割合は減少いたしますが、依然として残存はしております。 この両側にアダプターがライゲーションしなかったライブラリーは、フローセル上でブリッジPCRが掛かりませんので、シーケンスに必要なクラスターを形成しません。 ですので、基本的にはシーケンスデータには影響いたしません。 しかし、qPCR以外の方法で濃度測定すると、正しくアダプターが結合したライブラリーとの区別がつかないため、適切な濃度でフローセルに添加したつもりでも、実際に形成されるクラスター数が少なくなってしまい、結果的にデータ量が少なくなってしまいます。 このため、qPCRでライブラリー濃度を定量いただくことで、いずれの場合でも、両側にアダプター配列を持つ正しいライブラリーの濃度が測定でき、結果として安定したクラスター数が得られます。
お問い合わせはこちら