Q

回収率が低いのですが、どのような点を確認すれば良いでしょうか?

原因として、以下の点をご確認ください。

 

1.バッファーGP2の調製が適切ではない ⇒適切な量のエタノール添加が重要です。 フロースルーをイソプロパノール沈殿し、全量を電気泳動でチェックしてDNAが確認された場合、 エタノールが適切に添加されていない可能性があります。

 

2.サンプルアプライ時の温度 ⇒ アプライ(結合時)の温度が55℃以上の場合は、カラムの結合が弱まり、通過してしまう確率が増加してしまいます。

 

3.DNAの溶出が不十分 ⇒サイズが大きい場合(目安:5 kb以上)、溶出バッファーを70℃に加温しておくと溶出効率が向上する場合があります。

 

4.DNAの測定方法が適切ではない⇒特に吸光度測定の場合、必ず「溶出に用いたバッファー」をブランクにご使用ください。
(実際に、他の市販キットのバッファーをブランクに用いたために、適切に測定できなかった事例がございました。)

 

5.キット保管中の劣化 キットはできるだけ「室温(15-25°C) にて湿気を避けて」保管ください。
特にメンブレンは湿度の影響で次第に劣化する可能性があります。(キットを冷蔵してしまうと室温使用時にメンブレン表面に結露が発生しますため、これを繰り返したメンブレンは劣化してしまいます。)
また、市販のキットに共通いたしますが、メンブレンやバッファーは、適切に保管されている場合でも、やはり製造後にゆっくりと性能が落ちて行きます。
ですので、少しでも高い回収率が必要となるアプリケーションの場合は、できるだけ新しいキットをご使用いただくことをお奨めいたします。

 

6.バッファーGP1の量が適切ではない ⇒PCR産物量の5倍量のバッファーを添加し、十分にボルテックス混合してください。<PCR産物精製の場合>

 

7.ゲルの溶解が不十分

  下記リンク参照

  https://n-genetics.com/faq/detail/2/

 

8.UV照射によるDNAの断片化 ゲル抽出前にバンドを確認する場合、ゲル撮影装置であまり長時間UVを照射しますと、
バンドが見えにくくなり、バンドからずれた位置でゲルを回収してしまったり、
また、DNAがUVで断片化されることで、回収率が低下したり、ダウンストリームアプリケーションの結果に影響したりする可能性があります。
ゲル撮影には、UVイルミネーターよりも安全に検出することが可能なBlue/Green LEDイルミネーターの使用をお奨めいたします。
(Blue/Green LEDイルミネーターは日本ジェネティクスで取り扱っております。詳細はお問い合わせください。)

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