Q
菌量が十分なのに収量が少なかったのですが、どのような点を確認すれば良いでしょうか?
例えば「インサートの影響によるコピー数の低下」など、収量には様々な要因が影響します。
本キットの操作上では、原因として以下の点をご確認ください。
- 培養液に問題がある ⇒念のため、目的の大腸菌以外の雑菌が増殖していないか、ご確認ください。
培養液が目的以外の菌で汚染されていた場合、プレート培地のコロニーから培養し直してください。 - 溶菌が不十分
1)菌体ペレット量が多過ぎる ⇒菌量を減らすか、ローコピー用プロトコルで実施ください。
2)バッファーmP1による再懸濁が不十分 ⇒菌塊がなくなるまで十分に懸濁ください。 - 遠心によるデブリ除去が不十分 (質問2参照)
- バッファーmP5の調製が適切ではない ⇒適切な量のエタノール添加が重要です。
フロースルーをイソプロパノール沈殿し、全量を電気泳動でチェックしてDNAが 確認された場合、エタノールが適切に添加されていない可能性があります。 - DNAの溶出が不十分 ⇒サイズが大きい場合(目安:10 kb以上)、 溶出バッファーを70℃に加温しておくと 溶出効率が向上する場合があります。
- DNAの測定方法が適切ではない ⇒特に吸光度測定の場合、必ず「溶出に用いたバッファー」をブランクにご使用ください。
(実際に、他の市販キットのバッファーをブランクに用いたために、適切に測定できなかった事例がございました) - キット保管中の劣化 キットはできるだけ「室温(15~25°C) にて湿気を避けて」保管ください。
特にメンブレンは湿度の影響で次第に劣化する可能性があります。
(キットを冷蔵してしまうと室温使用時にメンブレン表面に結露が発生しますため、これを繰り返したメンブレンは劣化してしまいます)
また、市販のキットに共通いたしますが、メンブレンやバッファーは、適切に保管されている場合でも、やはり製造後にゆっくりと性能が落ちて行きます。
ですので、少しでも高い回収率が必要となるアプリケーションの場合は、できるだけ新しいキットをご使用いただくことをお奨めいたします。
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