Q

リアルタイムPCRの結果がネガティブ に判定されてしまったため、Cq値が計算されていないサンプルがあります。 そのサンプルの増幅曲線を確認すると、蛍光シグナルは弱いのですが、増幅はしているようです。 Threshold lineの値を変更するなど、結果の判定をポジティブ に変更し、Cq値を算出することはできないでしょうか?

本ソフトウェアではThreshold line は変更することはできませんが、シグナルが弱く、Cq値が計算されない場合の対処方法はございます。
下記の方法をご確認ください。
ご注意: 『ポジティブ』と『ネガティブ』の判定を任意で変更できますので、十分にご判断のうえ、実施ください。
基本的には、増幅が弱くネガティブと判定されてしまっている場合は、再度リアルタイムPCRを実施いただくことを推奨いたします。

【positive/negative slider機能について】
このケースでは、AnalyzeのAmplification Curveのグラフ上で操作できるスライダーバーを用います。
このスライダーバーは、positive/negative sliderと言いまして、エンドポイントの『ポジティブ』と『ネガティブ』の境界を指定することができます。

通常は使用しませんが、例えば ネガティブとなるべきサンプルで「プライマーダイマーにより弱く増幅してしまった場合」や、
「シグナルのバックグラウンドノイズを拾ってしまった場合」に、結果としてポジティブと判定されてしまったケースで使用します。
このスライダーバーをその曲線のエンドポイントの上まで持っていって、指定しますと、そのラインから下のサンプルは全てネガティブ、
そのラインと交差する(エンドポイントがラインより上になっている)サンプルは、全て ポジティブにすることができます。

【対処方法】
また、この機能は、今回のご質問のように、増幅が弱く”ネガティブ”と判定されてしまったサンプルに対し、どうしても
レスキューしてポジティブ判定に変更し、Cq値を求めたい場合にも使用することができます。

具体的には、以下のように操作を実施します。
 ① スライダーバーを「ネガティブと判定されてしまったサンプルの曲線と交わる高さ」の範囲で、少しずつ上げながら任意の高さまでスライドします。
 ②そのままポインターをバーの上に置き、右クリックすると、ウインドウが開き、「All」または「目的の蛍光色素から遺伝子(FAMやVICなど)」が表示されます。
 ③もしもこれらの文字の色が薄く、アクティブ(有効)の状態になっていない場合、更にバーを少しずつ上げて行きます。
 ④文字の色が濃くなり、アクティブになりましたら、「All」または「目的の蛍光色素」を選び、指定いたします。(通常はAllを指定します。)
 ⑤この操作により、ネガティブと判定されていたサンプルがポジティブに変更され、Cq値が表示されるようになります。
 ⑥本操作後、positive/negative sliderは、もとの0.000の位置に戻ります。

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